VL-BASICで結晶格子 (3回目)

2021/8/8(日)

VL-BASICで結晶格子 (3回目)

 

六方最密構造








 



r:原子半径

a:単位格子のひし形の辺の長さ(2r)

h:単位格子の柱の高さ

 

六方最密構造の単位格子は

ひし形を底面とした四角柱で

それが3個集まると正六角柱となる

正六角形の辺の長さはc = 2r

高さは、正四面体の高さの2倍となる

 

上図左の原子の上に中央図の3つの原子

(太線)が乗っており、さらに左図の原子が

乗る3層構造を考える

 

右下図の4つの原子の中心を結ぶと

正四面体になっている

これが上下の層に存在するので、

正四面体2個分の高さが

六角柱の高さとなる

 

1辺の長さがxの正四面体の高さyは

y = √(2/3)x = {(√6)/3}x

これを

h = 2y , x = 2rに代入

h/2 = {(√6)/3}2r

よって

単位格子の柱の高さh = {(4√6)/3}r

正四面体の高さは











正四面体の重心(原点とする)から

各頂点へのベクトルをA,B,C,Dとすると

(以後大文字は位置ベクトルまたは

点の位置とする)

A,B,C,D方向の力は釣合う関係にある

(A + B + C + D = 0ベクトル)

ベクトルDをz軸方向

ベクトルAのz成分を0にしたベクトルを

x軸方向にとると

ベクトルA,B,Cのx成分の釣合いから

Ax = |Bx| + |Cx|

(Ax : Bx = Ax : Cx = 2 : 1)となるので

Dから△ABCへの垂線と△ABCの交点Hは

△ABCの点から線分BCへの垂線を2:1に

内分する点となっている

線分AH = △ABCの高さ×(2/3)

= 線分AB{(√3)/2}x(2/3)

= 線分AB(√3)/3

 

よって、正四面体の高さDH(yとする)は

辺の長さAB(xとする)を使って

 

x2 = y2 + {x(√3)/3}2 

y2 = x2 - (3/9)x2 = (2/3)x2 

y = √(2/3)x = {(√6)/3}x

と表せる

 

原子半径r

単位格子のひし形の辺の長さa = 2r

単位格子の柱の高さh = {(4√6)/3}r

 

原点をA

B方向をx軸

C方向をy軸

D方向をz軸とした

底辺ABC頂点Dの正四面体構造の

半径rの球の中心座標は

A( 0,     0   , 0)

B(2r,     0   , 0)

C( r,  r√3   , 0)

D( r, (r√3)/3, h)

という配置になり

これらを平行移動した座標に表示しています

 

操作の移動方向は適当なので

操作しやすい符号に変更して下さい

 

同じ場所に2種類以上の面が存在すると

計算誤差か不具合によってどの面が

1番手前かが、ほぼランダムに決まり

ランダム模様が入ってしまいます

不透明の時は見えない場所なので大丈夫

なのですが

bキーで透明にしたときは、これを避けるため

単位格子同士に隙間を空けてあります

 

充填率を求めて見ました

 

半径rの球の体積Vは

V = 4πr3/3

 

単位格子中の原子数n

原子半径r

単位格子の体積v

充填率p(%)とすると

p = 単位格子中の原子の体積/v × 100(%)

p = 100n(4πr3/3) / v

 

a:単位格子の辺長(h:単位格子の高さ)

六方最密構造n = 2, a = 2r, h = (4r√6)/3

(単位格子は六角柱の1/3)

v = a{(a/2)√3}h

= 2r(r√3){(4r√6)/3}

= 8r3(√3√2√3) / 3

= 8r3√2

p = 100n(4πr3/3) / v

= 100・2(4πr3/3) / (8r3√2)

= 100π√2 / (3√2√2)

= (50π√2)/3

 

? 50*3.141592653589793*sqr(2)/3

74.04804896930611

 

VL-BASICとblg~.zip(cris003.bas)は

以下のリンクからダウンロードできます

VL-BASIC(N88-BASIC互換?)ホームページ

Readme.txtを読んで遊んで下さい


 



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