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床屋のパラドックス

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2023/4/6(木) 床屋のパラドックス   ラッセルのパラドックス(Russell's paradox) の簡易版だそうです   ある町に1人だけいる床屋は 「ひげを自分で剃らない人」のひげは剃る 「ひげを自分で剃る  人」のひげは剃らない   床屋のひげは誰が剃るのか   床屋が「ひげを自分で剃らない人」なら  床屋は床屋(自分)のひげを剃るので矛盾し 床屋が「ひげを自分で剃る  人」なら  床屋は床屋(自分)のひげを剃らないので矛盾する   床屋の存在が矛盾するというパラドックス 考察 図1 A =「ひげを自分で剃らない人」    B =「ひげを自分で剃る  人」   床屋はどこに属しているかを考えると 床屋はA∩Bに属していないと矛盾が 生じる しかし、A∩Bは存在しない... よって 「この床屋は存在しない」 というのが答えになりそうです     別の例 5より小さく7より大きい自然数nは?   A =「5より小さい」 B =「7より大きい」とすると 自然数nはA∩Bに属さないと矛盾が生じる しかしA∩Bに属する自然数は存在しない   つまり n < 5 かつ n > 7を満たす自然数nの解は 解なし となる       余談 空想(哲学)と現実(科学)の関係   よく空想で矛盾が生じる事がありますが 大抵は、現実には存在しない で解決すると思いますが   現実に存在する場合は 空想の仕方が間違っているという事になります   空想で存在証明が出来るのに 現実では存在しない場合も 空想の仕方が間違っているという事になります     考察はここまでにしておきます       より深くの考察は ラッセルのパラドックスで 矛盾の生じない集合の条件 などの理論に発展していくようです

テセウスの船のパラドックス

2023/3/1(水)   テセウスの船 ( Ship of Theseus )のパラドックス   ある船を老朽化した部品を新しい部品で修理して 交換した元の部品で同じ船を作っていく   始めの船(元の船の部品はない)と コピーした船(全て元の船の部品) の内どちらが本物か分からなくなる パラドックス   全て新しい部品でできているが やはり始めの船が本物といえるが   全て元の船の部品でできているから コピーした船の方が本物ともいえる   個人的解答 元の船(全て新しい部品)がオリジナルであり コピーした船(全て元の部品)はクローンだと 思います     考察(個人的見解)   人(自分や近しい人)で考えて見る   例えば、自分の身体は元の細胞が 新しい細胞に置き換わっていますが その元の細胞で自分のコピーを作ったとする   この場合、自分の意思は 新しい細胞でできた自分にあり   元の細胞でできた自分はクローンであり 意思は他人(自分ではない)であろうから   新しい部品で出来た元の船が本物であり 元の部品でつくられた船はクローンだと 考えます

命題が正しいのに対偶が正しくないパラドックス

2022/9/18(日) 命題が正しいのに対偶が正しくない パラドックス   ネットで見つけた問題を考えて見ました (2019/9に書いたリニューアル記事です)     問題   命題 :「注意されない ならば 私語をする」 が正しいなら 対偶 :「私語をしない ならば 注意される」 は正しい       ...正しくない気がする       何故か ?     前提   (論理) 命題 :「A なら    B である」 が正しいなら 逆  :「B なら    A である」 は間違い 否定 :「A でないなら B でない」 は間違い 対偶 :「B でないなら A でない」 は正しい   (例) 命題 :「りんご なら    果物  である」 が正しいなら 逆  :「果物  なら    りんご である」 は間違い 否定 :「りんご でないなら 果物  でない」 は間違い 対偶 :「果物  でないなら りんご でない」 は正しい   (問題) 命題 :「注意されない ならば 私語をする 」 が正しいなら 否定 :「注意される  ならば 私語をしない」 は間違い     (注意されても私語をするかも) 逆  :「私語をする  ならば 注意されない」 は間違い     (私語をすると注意されるかも) 対偶 :「私語をしない ならば 注意される 」 は正しい?     考察   時系列をはっきりさせる   この命題の場合、注意という過去のアクションに対して 私語の現在のアクションが決まるという時系列で考えると   命題 :「注意されない(過去) ならば 私語をする(現在)」    が正しいなら 対偶 :「私語をしない(現在) ならば 注意される(過去)」    は、現在私語をしていない ならば 過去に注意された    という事になり、正しい事が分かります      勝手に現在と過去を入れ替えて    私語をしていないのに注意されるという    誤解をしたためパラドックスに感じたという事です     おまけ   命題 :「注意されない(過去) ならば 私語をする(現在)」 に対して、次の事が成り立つ   注意されていない ならば 私語をする 注意された    ならば 私語をする or 私語をしない 私語をしている  ならば 注意された or 注意されてい

N88-BASICでパロンドのパラドックス

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2022/9/3(土) N88-BASICでパロンドのパラドックス   パロンド(Parrondo)のパラドックスとは 不利なゲームを組合わせているのに 有利なゲームができるというものだそうです   ゲームA(不利なゲーム)  48%の確率で1円得、52%の確率で1円払う   ゲームB(不利なゲーム)  所持金が3の倍数なら    1%の確率で1円得、99%の確率で1円払う  所持金が3の倍数以外なら   85%の確率で1円得、15%の確率で1円払う   ゲームC(有利なゲーム)  半々の確率でゲームAまたはゲームBをする   これら、ゲームA~Cの期待値を求めて見ます まず、 p a  = 0.48 p b0  = 0.01 p b1  = 0.85 p c  = 0.5 と置いて、式をつくります   ゲームA  p a の確率で1円得、1-p a の確率で1円払う   ゲームB  所持金が3の倍数なら   p b0 の確率で1円得、(1-p b0 )の確率で1円払う  所持金が3の倍数以外なら   p b1 の確率で1円得、(1-p b1 )の確率で1円払う   ゲームC  p c の確率でゲームA、(1-p c )の確率でゲームBをする   期待値E BC   所持金を3で割った余りが0,1,2である確率を それぞれx,y,zとし、 余りが0の時、勝つ確率をp 0 、それ以外の時、 勝つ確率をp 1 とする   所持金/3の余り:確率 0(x)→1(y,+1):p 0 、0(x)→2(z,-1):(1-p 0 ) 1(y)→2(z,+1):p 1 、1(y)→0(x,-1):(1-p 1 ) 2(z)→0(x,+1):p 1 、2(z)→1(y,-1):(1-p 1 )   x = (1-p 1 )y + p 1 z (y→x,z→x) y = (1-p 1 )z + p 0 x (z→y,x→y) z = (1-p 0 )x + p 1 y (x→z,y→z) x + y + z = 1   z + y = 1 - x 期待値E BC = {1円×p 0 -1円×(1-p 0 )}・x   … x→+1、x→-1 + {1円×p 1 -1円×(1-p 1 )}(y + z) … (y,z)→+1、(y,z)→-1 = (p 0 -1+p 0 )・x + (p

N88-BASICでサンクトペテルブルクのパラドックス (4回目)

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2022/8/26(金) N88-BASICでサンクトペテルブルクのパラドックス (4回目)   サンクトペテルブルクのパラドックス (The sankt petersburg paradox) とは   確率1/2のコインを表がでるまで投げるゲームで 1回目で表が出れば1円 … 確率1/2 2回目で表が出れば2円 … 確率1/4 3回目で表が出れば4円 … 確率1/8 i回目で表が出れば2 i-1 円… 確率1/2 i   がもらえるとすると このゲームの期待値Eは E = 1×1/2 + 2×1/4 + … + 2 i-1 ×1/2 i  …  = 1/2 + 1/2 + … + 1/2 + …  = ∞ 円 となり、1回1万円でもやった方が得? しかし、実際には損する確率が高い? という矛盾が生じるというパラドックスです     結果   kを入力 q = 10 -k  … (これより低い確率を無視する) n = [k(log10 / log2)] … (コインは最大n回まで) p(n) = (1/2) n  = 10 -h  … (上記の確率) E = n(1/2) … (その時の期待値)   (2回目)のプログラムに q = 10 -k  を0~kまで等分に変化させた k-Eグラフの表示を追加しました   グラフが階段状になるのはp(n)のnが自然数だからです   Eは10 -k  のkに比例しているようです   ほぼあり得ない確率で高配当になっている事が 期待値が大きいのに損をする確率が大きい 原因となっていると思います   永遠にゲームをやり続ける事ができれば いつかは得をする時が来るかもしれませんが 所持金や寿命には限界があります     NL-BASICとblg~.zip(sank004.bas)は 以下のリンクからダウンロードできます https://ulprojectmail.blogspot.com Readme.txtを読んで遊んで下さい  

N88-BASICでサンクトペテルブルクのパラドックス (3回目)

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2022/8/24(水) N88-BASICでサンクトペテルブルクのパラドックス (3回目)   サンクトペテルブルクのパラドックス (The sankt petersburg paradox) とは   確率1/2のコインを表がでるまで投げるゲームで 1回目で表が出れば1円 … 確率1/2 2回目で表が出れば2円 … 確率1/4 3回目で表が出れば4円 … 確率1/8 i回目で表が出れば2 i-1 円… 確率1/2 i   がもらえるとすると このゲームの期待値Eは E = 1×1/2 + 2×1/4 + … + 2 i-1 ×1/2 i  …  = 1/2 + 1/2 + … + 1/2 + …  = ∞ 円 となり、1回1万円でもやった方が得? しかし、実際には損する確率が高い? という矛盾が生じるというパラドックスです     結果   q = これより低い確率を無視する n = [log(q)/log(1/2)] … (コインは最大n回まで投げる) p(n) = (1/2) n  … (上記の確率) E = n(1/2) … (その時の期待値)   (1回目)のプログラムに qを1-q~qまで等分に変化させた q-Eグラフの表示を追加しました   グラフが階段状になるのはp(n)のnが自然数だからです   qが0 (1/∞)に近づくと急に期待値が上がるので   ほぼあり得ない確率で高配当になっている事が 期待値が大きいのに損をする確率が大きい 原因となっていると思います   永遠にゲームをやり続ける事ができれば いつかは得をする時が来るかもしれませんが 所持金や寿命には限界があります     NL-BASICとblg~.zip(sank003.bas)は 以下のリンクからダウンロードできます https://ulprojectmail.blogspot.com Readme.txtを読んで遊んで下さい

N88-BASICでサンクトペテルブルクのパラドックス (2回目)

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2022/8/22(月) N88-BASICでサンクトペテルブルクのパラドックス (2回目)   サンクトペテルブルクのパラドックス (The sankt petersburg paradox) とは   確率1/2のコインを表がでるまで投げるゲームで 1回目で表が出れば1円 … 確率1/2 2回目で表が出れば2円 … 確率1/4 3回目で表が出れば4円 … 確率1/8 i回目で表が出れば2 i-1 円… 確率1/2 i   がもらえるとすると このゲームの期待値Eは E = 1×1/2 + 2×1/4 + … + 2 i-1 ×1/2 i  …  = 1/2 + 1/2 + … + 1/2 + …  = ∞ 円 となり、1回1万円でもやった方が得? しかし、実際には損する確率が高い? という矛盾が生じるというパラドックスです     前回の計算を工夫して q = 1/∞により近付けるよう工夫して見ます   q = これより低い確率を無視する n = [log(q)/log(1/2)] … (コインは最大n回まで投げる) p(n) = (1/2) n  … (上記の確率) E = n(1/2) … (その時の期待値)   E = Σ(2 i-1 ×1/2 i ) = Σ1/2 (i = 1~n, n = ∞)  = n(1/2)     考察 [log(1/2) = log(2 -1 ) = -log(2)]   q = 10 -k  と置くと n = [log(q)/log(1/2)] = [log(10 -k )/log(1/2)]  = [k(log10 / log2)]     p(n) = (1/2) n  = 10 -h  と置くと nlog(1/2) = -hlog10 nlog2 = hlog10 h = n(log2 / log10)     まとめ kを入力 q = 10 -k  … (これより低い確率を無視する) n = [k(log10 / log2)] … (コインは最大n回まで) p(n) = (1/2) n  = 10 -h  … (上記の確率) E = n(1/2) … (その時の期待値)   前回の計算で q = 10 -293  で計算するとE = 486.5円でしたが これでもほぼ起こらない確率まで入れています これ以上はファン

N88-BASICでサンクトペテルブルクのパラドックス (1回目)

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2022/8/15(月) N88-BASICでサンクトペテルブルクのパラドックス (1回目)   サンクトペテルブルクのパラドックス (The sankt petersburg paradox) とは   確率1/2のコインを表がでるまで投げるゲームで 1回目で表が出れば1円 … 確率1/2 2回目で表が出れば2円 … 確率1/4 3回目で表が出れば4円 … 確率1/8 i回目で表が出れば2 i-1 円… 確率1/2 i   がもらえるとすると このゲームの期待値Eは E = 1×1/2 + 2×1/4 + … + 2 i-1 ×1/2 i  …  = 1/2 + 1/2 + … + 1/2 + …  = ∞ 円 となり、1回1万円でもやった方が得? しかし、実際には損する確率が高い? という矛盾が生じるというパラドックスです     はじめに   このゲームには、いろいろな考察があると思いますが   期待値Eは1回のゲームの期待値なので ここでは、1回だけ行ったときを考えたいと思います   科学では極端な実験値を除いで平均を出す事があります ここでは極端な場合を除いて感覚と合う期待値Eの 計算を試みます     例(極端な場合を除くと)   平均年収1億円の100人の村があるとします 99人が100万円で1人が99億100万円です   この場合極端な1人を除いた、平均100万の 方が感覚に合います   つまり極端な例が入ると感覚からズレるという事です     考察   このゲームの期待値Eを、起こる確率がq未満 の場合を除いで計算してみます   期待値Eは E = 1×1/2 + 2×1/4 + … + (2 i-1 ×1/2 i ) + … (各回数の確率1/2 i  < q になれば足さない)   1/2 i  < q となる直前のiをnとしてnを求める   E = Σ(2 i-1 ×1/2 i ) = Σ1/2 (i = 1~n, n = ∞)  = n(1/2) ここでnは、(1/2) n  ≧ q となる最大の自然数なので log(1/2) n  ≧ log(q) nlog(1/2) ≧ log(q) n ≦ log(q)/log(1/2) … log(1/2) < 0より ガウス記号[a]=aを超えない最大の整数を使用して n = [

N88-BASICでゼノンの矢 (2回目) (アキレスと亀)

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2021/12/27(月) N88-BASICでゼノンの矢 (2回目)   似たような問題   アキレスと亀のパラドックス (Achilles and the turtle paradox)   亀はアキレスより100m先から出発 1. 速い2m/sのアキレスでも今亀がいる所まで行くのに時間がかかる 2. その時間の間に遅い1m/sの亀でも少しは前に進む 1. 速い2m/sのアキレスでも今亀がいる所まで行くのに時間がかかる 2. その時間の間に遅い1m/sの亀でも少しは前に進む    ・    ・    1.2.を永遠に繰返してもアキレスは亀に追付けない???   実際は、アキレスと亀の速度差は1m/sなので、 100m÷1m/s = 100秒後に追付くはず...   ということで、 BASICで、この1.2.を繰返すと、 アキレスと亀の差と、経過時間が どう変化するかを計算して見ました     結果を見てみると、アキレスと亀の距離の差は0(m)に 近付き、経過時間は100(s)(追い付く時間)に近付いて いますつまり、1.2.を永遠に繰り返しても、時間は 100(s)に到達しない事が分かります   つまり、1.2.を繰返すことは、追い付くまでの 事を永遠に語っているだけだと分かります   この図ではオレンジの線を永遠に繰り返しても、 100sに到達しない事が分かります (1回目は50sで亀がアキレスの少し前にいます)   結局、ゼノンの矢も、アキレスと亀も 無限回繰り返すと無限の時間が過ぎると 思い込んでいたために起きた矛盾です   よく考えてみると、数学では無限級数やその和が ある値に収束する(無限大にならない) ことは良くあることでした   NL-BASICとblg~.zip(zeno002.bas)は このブログ(以下のリンク)から ダウンロードできます https://ulprojectmail.blogspot.com Readme.txtを読んで遊んで下さい