相対性理論 (7回目)
2023/7/20(木)
相対性理論 (7回目)
一般相対性理論
(General relativity theory)
エネルギー運動量テンソルTμν
(応力テンソル以外)の導出
■ まえがき
以後
上付添字は反変成分、下付添字は共変成分を表す
(共変成分:座標と同じ変換法則で変換される成分)
(反変成分:座標と逆の変換法則で変換される成分)
(ただし、下付添字x,y,zを除く)
テンソルはスカラー、ベクトル、行列のようなもので
0階のテンソルはスカラーで
1階のテンソルはベクトルで
2階のテンソルは行列で表現できる
■ エネルギー密度と運動量密度
ε:エネルギー密度
πx:運動量密度
ρ:密度
m:質量
γ:ローレンツ係数
γ = 1/√{1 - (v/c)2}
(2回目)より
u:四元速度
p:四元運動量
u = (u0, u1, u2, u3)
p = (E/c, px, px, px) = mc(u0, u1, u2, u3)
= mc(γ, γvx/c, γvy/c, γvz/c)
= (γmc, γmvx, γmvy, γmvz)
より
m ∝ γρ … ローレンツ収縮による密度の影響
E = γmc2 より
ε = γ2ρc2 = u0u0ρc2 … (u0 = γ)
px = γmvx より
πx = γ2ρvx = u0u1ρc … (cu1 = γvx)
cπx = u0u1ρc2
■ エネルギー運動量テンソルの定義
2階の反変テンソル
エネルギー運動量テンソルを
Tμν = ρc2
|u0u0 u0u1 u0u2 u0u3|
|u1u0 u1u1 u1u2 u1u3|
|u2u0 u2u1 u2u2 u2u3|
|u3u0 u3u1 u3u2 u3u3|
と定義すると
Tμν =
|ε cπx cπy cπz |
|cπx ρc2u1u1 ρc2u1u2 ρc2u1u3|
|cπy ρc2u2u1 ρc2u2u2 ρc2u2u3|
|cπz ρc2u3u1 ρc2u3u2 ρc2u3u3|
となる
(右下の9成分は応力テンソル)
■ エネルギー保存則
T01 = cπx = cγ2ρvx (1/c)γ2ρc2vx
= vx(ε/c)
cT01 = vxε
微小yz平面をx方向に単位時間に流れる
エネルギー量は
cT01dydz = vxεdydz
距離dx離れた地点でのエネルギー差は
c(∂T01/∂x)dxdydz = {(∂vxε/∂x)dydz}dx
となり3次元に拡張して
c(∂T01/∂x+∂T02/∂y+∂T03/∂z)dxdydz
微小空間のdV = dxdydzのエネルギー量は
εdVとなり、エネルギーが流出すると減るので
時間変化量は-(∂ε/∂t)dVとなる
T00 = εに置き換えて
c(∂T01/∂x+∂T02/∂y+∂T03/∂z)dV
= -(∂T00/∂t)dV
{∂T00/∂(ct)+∂T01/∂x+∂T02/∂y+∂T03/∂z}dV
= 0
x = (x0,x1,x2,x3) = (ct,x,y,z)として
Σxi (i=0,1,2,3)をxiと書く事を
アインシュタインの縮約という
∂T0ν/∂xν = 0
全エネルギー変化量の合計が0なので
エネルギー保存則が成り立つ
■ 運動量保存則
πx = γ2ρvx より
T11 = ρc2u1u1 = ρc2(γvx/c)(γvx/c)
= γ2ρvxvx = πxvx
これは単位時間にyz単位平面をx方向に
移動する運動量のx成分を表しているので
dx間の量は
(∂T11/∂x)dx
エネルギーの時と同様に
(∂T11/∂x+∂T12/∂y+∂T13/∂z)dVが
dVから単位時間あたりに流出する運動量の
x成分なので-(∂πx/∂t)dV となり
T10/c = πx で置き換えて
(∂T11/∂x+∂T12/∂y+∂T13/∂z)dV
= -{∂T10/∂(ct)}dV
{∂T10/∂(ct)+∂T11/∂x+∂T12/∂y+∂T13/∂z}dV
= 0
∂T1ν/∂xν = 0 … (x成分)
∂T2ν/∂xν = 0 … (y成分)
∂T3ν/∂xν = 0 … (z成分)
運動量の変化量の総和はx,y,z成分で0なので
運動量保存則が成り立つ
■ まとめ
上付添字は反変成分、下付添字は共変成分を表す
(ただし、下付添字x,y,zを除く)
ε:エネルギー密度(ε = γ2ρc2)
πx:運動量密度(πx = γ2ρvx)
ρ:密度
c:光速度
ui:四元速度の成分
エネルギー運動量テンソル
Tμν = ρc2
|u0u0 u0u1 u0u2 u0u3|
|u1u0 u1u1 u1u2 u1u3|
|u2u0 u2u1 u2u2 u2u3|
|u3u0 u3u1 u3u2 u3u3|
=
|ε cπx cπy cπz |
|cπx ρc2u1u1 ρc2u1u2 ρc2u1u3|
|cπy ρc2u2u1 ρc2u2u2 ρc2u2u3|
|cπz ρc2u3u1 ρc2u3u2 ρc2u3u3|
(右下の9成分は応力テンソル)
真空では
Tμν = 0
エネルギー保存則
∂T0ν/∂xν = 0
運動量保存則
∂T1ν/∂xν = 0 … (x成分)
∂T2ν/∂xν = 0 … (y成分)
∂T3ν/∂xν = 0 … (z成分)
エネルギー保存則と運動量保存則
∂Tμν/∂xν = ∂Tμν/∂xμ = 0
が成り立つ
(Tμν = Tνμ)
相対性理論 (7回目)
一般相対性理論
(General relativity theory)
エネルギー運動量テンソルTμν
(応力テンソル以外)の導出
■ まえがき
以後
上付添字は反変成分、下付添字は共変成分を表す
(共変成分:座標と同じ変換法則で変換される成分)
(反変成分:座標と逆の変換法則で変換される成分)
(ただし、下付添字x,y,zを除く)
テンソルはスカラー、ベクトル、行列のようなもので
0階のテンソルはスカラーで
1階のテンソルはベクトルで
2階のテンソルは行列で表現できる
■ エネルギー密度と運動量密度
ε:エネルギー密度
πx:運動量密度
ρ:密度
m:質量
γ:ローレンツ係数
γ = 1/√{1 - (v/c)2}
(2回目)より
u:四元速度
p:四元運動量
u = (u0, u1, u2, u3)
p = (E/c, px, px, px) = mc(u0, u1, u2, u3)
= mc(γ, γvx/c, γvy/c, γvz/c)
= (γmc, γmvx, γmvy, γmvz)
より
m ∝ γρ … ローレンツ収縮による密度の影響
E = γmc2 より
ε = γ2ρc2 = u0u0ρc2 … (u0 = γ)
px = γmvx より
πx = γ2ρvx = u0u1ρc … (cu1 = γvx)
cπx = u0u1ρc2
■ エネルギー運動量テンソルの定義
2階の反変テンソル
エネルギー運動量テンソルを
Tμν = ρc2
|u0u0 u0u1 u0u2 u0u3|
|u1u0 u1u1 u1u2 u1u3|
|u2u0 u2u1 u2u2 u2u3|
|u3u0 u3u1 u3u2 u3u3|
と定義すると
Tμν =
|ε cπx cπy cπz |
|cπx ρc2u1u1 ρc2u1u2 ρc2u1u3|
|cπy ρc2u2u1 ρc2u2u2 ρc2u2u3|
|cπz ρc2u3u1 ρc2u3u2 ρc2u3u3|
となる
(右下の9成分は応力テンソル)
■ エネルギー保存則
T01 = cπx = cγ2ρvx (1/c)γ2ρc2vx
= vx(ε/c)
cT01 = vxε
微小yz平面をx方向に単位時間に流れる
エネルギー量は
cT01dydz = vxεdydz
距離dx離れた地点でのエネルギー差は
c(∂T01/∂x)dxdydz = {(∂vxε/∂x)dydz}dx
となり3次元に拡張して
c(∂T01/∂x+∂T02/∂y+∂T03/∂z)dxdydz
微小空間のdV = dxdydzのエネルギー量は
εdVとなり、エネルギーが流出すると減るので
時間変化量は-(∂ε/∂t)dVとなる
T00 = εに置き換えて
c(∂T01/∂x+∂T02/∂y+∂T03/∂z)dV
= -(∂T00/∂t)dV
{∂T00/∂(ct)+∂T01/∂x+∂T02/∂y+∂T03/∂z}dV
= 0
x = (x0,x1,x2,x3) = (ct,x,y,z)として
Σxi (i=0,1,2,3)をxiと書く事を
アインシュタインの縮約という
∂T0ν/∂xν = 0
全エネルギー変化量の合計が0なので
エネルギー保存則が成り立つ
■ 運動量保存則
πx = γ2ρvx より
T11 = ρc2u1u1 = ρc2(γvx/c)(γvx/c)
= γ2ρvxvx = πxvx
これは単位時間にyz単位平面をx方向に
移動する運動量のx成分を表しているので
dx間の量は
(∂T11/∂x)dx
エネルギーの時と同様に
(∂T11/∂x+∂T12/∂y+∂T13/∂z)dVが
dVから単位時間あたりに流出する運動量の
x成分なので-(∂πx/∂t)dV となり
T10/c = πx で置き換えて
(∂T11/∂x+∂T12/∂y+∂T13/∂z)dV
= -{∂T10/∂(ct)}dV
{∂T10/∂(ct)+∂T11/∂x+∂T12/∂y+∂T13/∂z}dV
= 0
∂T1ν/∂xν = 0 … (x成分)
∂T2ν/∂xν = 0 … (y成分)
∂T3ν/∂xν = 0 … (z成分)
運動量の変化量の総和はx,y,z成分で0なので
運動量保存則が成り立つ
■ まとめ
上付添字は反変成分、下付添字は共変成分を表す
(ただし、下付添字x,y,zを除く)
ε:エネルギー密度(ε = γ2ρc2)
πx:運動量密度(πx = γ2ρvx)
ρ:密度
c:光速度
ui:四元速度の成分
エネルギー運動量テンソル
Tμν = ρc2
|u0u0 u0u1 u0u2 u0u3|
|u1u0 u1u1 u1u2 u1u3|
|u2u0 u2u1 u2u2 u2u3|
|u3u0 u3u1 u3u2 u3u3|
=
|ε cπx cπy cπz |
|cπx ρc2u1u1 ρc2u1u2 ρc2u1u3|
|cπy ρc2u2u1 ρc2u2u2 ρc2u2u3|
|cπz ρc2u3u1 ρc2u3u2 ρc2u3u3|
(右下の9成分は応力テンソル)
真空では
Tμν = 0
エネルギー保存則
∂T0ν/∂xν = 0
運動量保存則
∂T1ν/∂xν = 0 … (x成分)
∂T2ν/∂xν = 0 … (y成分)
∂T3ν/∂xν = 0 … (z成分)
エネルギー保存則と運動量保存則
∂Tμν/∂xν = ∂Tμν/∂xμ = 0
が成り立つ
(Tμν = Tνμ)