N88-BASICで2封筒のパラドックス

2021/12/6(月)
N88-BASICで2封筒のパラドックス
 
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封筒のパラドックス
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2つの封筒があり、1つの封筒には
もう1つの封筒の2倍の金額が入っている
AさんとBさんがそれぞれ選んだあと
交換するかを決める
 
Aの封筒は10000円が入っていた
そこでAは考えた
相手は5000か20000のどちらかなので
期待値は(5000+20000)/2=12500となり
10000が12500になると期待できるので
交換した方が得
 
Bの封筒は20000円が入っていた
そこでBは考えた
相手は10000か40000のどちらかなので
期待値は(10000+40000)/2=25000となり
20000が25000になると期待できるので
交換した方が得
 
交換するとどちらも得になるのはなぜ
というパラドックスです
 
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Aさんを考える
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Aさんが考えたのは交換すると5000か20000が
1/2の確率で得られる場合ですので
前回までの説明通り期待値12500は正しい
 
しかし、今回はもう一方が20000なので
5000という可能性は0です
よってAさんが交換したときの正しい期待値は
5000・0+20000・1=20000です
 
Aさんは相手の金額を知らないのでこの正しい
期待値を計算できませんが、起こらない5000の
確率を1/2として計算した期待値12500が現実と
一致しないのは当然です
 
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Bさんを考える
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Bさんが考えたのは交換すると10000か40000が
1/2の確率で得られる場合ですので
前回までの説明通り期待値25000は正しい
 
しかし、今回はもう一方が10000なので
40000という可能性は0です
よってAさんが交換したときの正しい期待値は
10000・1+40000・0=10000です
 
Bさんは相手の金額を知らないのでこの正しい
期待値を計算できませんが、起こらない40000の
確率を1/2として計算した期待値25000が現実と
一致しないのは当然です
 
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結論
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10000円を選んだAさんが考えた期待値12500は
相手が5000と20000半々の可能性がある場合は
正しいが
現実は5000が0で20000が1の確率なので
正しい期待値は20000なので
交換すると+10000となる
 
20000円を選んだBさんが考えた期待値25000は
相手が10000と40000半々の可能性がある場合は
正しいが
現実は40000が0で10000が1の確率なので
正しい期待値は10000なので
交換すると-10000となる
 
つまり、交換する方が期待値が高いというのは
間違いでした
 
5000円か20000円が1/2の確率で入っている封筒
を10000円で買うときは、期待値が
5000×1/2+20000×1/2 = 12500円となるのは
正しいですが
5000円入っている確率が1のときは
期待値は5000円です
この場合も勝手に期待値が12500となると
考えているのが
このパラドックスなのです
 
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現実とは違う確率を勝手に使って間違う例
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このパラドックスは現実にはあり得ない
(勝手に思い込んだ)確率を使って期待値を計算
しているので現実と合わない思考になっただけ
でした
 
例えば
1の代わりに6が書いてあるサイコロがあったとする
 
その事実を知らないAさんがこのサイコロの1が出る
確率を1/6と考えたとする
 
しかし実際は1の出る確率は0なので
1/6は間違いだと分かります
 
いくら正しそうな思考でも、起こらない確率を
起こると考えてしまうと、間違った答えになる
のは当たり前です
 
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問題のすり替え
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5000円か20000円が半々の確率で入っている
封筒と10000円を交換するなら
期待値5000×1/2+20000×1/2 = 12500円となり
得ですが、
これはまったく違う問題なので
封筒のパラドックス問題には当てはまりませんが
これを同じ問題だとミスリードされて
パラドックスに感じるようにしてあるのだと
思います
 
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シミュレート
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1万と2万の封筒でのシミュレート結果は
期待値12500-10000=+1250円になりそうに
ありません
損得の平均は+-あり、どうやら0円に収束
しそうです
 
NL-BASICとblg~.zip(enve001.bas)は
このブログ(以下のリンク)から
ダウンロードできます

https://ulprojectmail.blogspot.com
Readme.txtを読んで遊んで下さい












 

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