相対性理論 (8回目)
2023/8/10(木)
相対性理論 (8回目)
一般相対性理論
(General relativity theory)
アインシュタインの重力場方程式の導出
■ 導出
▼ 比例式の簡単な例
微分が0(傾きが0)
f'(x) = df/dx = 0
g'(x) = dg/dx = 0
となる関数の簡単な例を
f(x) = 4
g(x) = 8
とすると
g(x) = kf(x)と置けるので
k = 2
g(x) = 2f(x)となる
▼ 比例式
https://ulprojectmail.blogspot.com/2023/08/curvature-5.html
曲率テンソル (5回目)
と
相対性理論 (6回目)
相対性理論 (7回目)
より
アインシュタインテンソル
Gμν = Rμν - (1/2)gμνR
∂Gμν/∂xμ = ∇μGμν = 0
エネルギー運動量テンソル
∂Tμν/∂xμ = ∇μTμν = 0
より
微分が0同士なので
Gμν = kTμν
の関係があると置けるので
ニュートン近似でkを決定する
またニュートン近似はcに対してx,y,z
の変化が少ないのでu0のみつまりT00のみ考える
また|v|<<|c|より
ローレンツ係数γ = 1/√{1 - (v/c)2} ≒ 1
Tμν = ρc2uμuν より
T00 = ρc2u0u0 = ε = γ2ρc2 = ρc2
▼ 重力場方程式の変形
Gμν = kTμν
Gμν = Rμν - (1/2)gμνR
Rμν - (1/2)gμνR = kTμν
両辺にgμigνjを掛ける
gμigνjRμν - (1/2)gμigνjgμνR = kgμigνjTμν
Rij - (1/2)gijR = kTij
両辺にgijを掛ける
gijRij - (1/2)gijgijR = kgijTij
Rii - (1/2)δiiR = kTii
R - (1/2)4R = kT
R = -kT
を
Rij - (1/2)gijR = kTij
に代入
Rij + (1/2)kgijT = kTij
Rij = k{Tij - (1/2)gijT} … (T = gijTij)
▼ ニュートン近似のRij
https://ulprojectmail.blogspot.com/2023/07/christoffel-3.html
クリストッフェル記号 (3回目)
より
Γkij = (1/2)gka{(∂gja/∂Xi)+(∂gai/∂Xj)-(∂gij/∂Xa)}
に
gαβ ≒ ηαβ + hαβ (|hαβ| << 1)
を代入
ηαβ は定数なので微分は0
hαβ の2乗の項は小さいので無視すると
Γkij = (1/2)gka{(∂gja/∂Xi)+(∂gai/∂Xj)-(∂gij/∂Xa)}
= (1/2)(ηka+hka){(∂hja/∂Xi)+(∂hai/∂Xj)-(∂hij/∂Xa)}
= (1/2)ηka{(∂hja/∂Xi)+(∂hai/∂Xj)-(∂hij/∂Xa)}
Γkij = Γkij
= (1/2)ηka{(∂hja/∂Xi)+(∂hai/∂Xj)-(∂hij/∂Xa)}
Rnm,αβ
= (∂/∂xα)Γnβm - (∂/∂xβ)Γnαm
+ ΓnαkΓkβm - ΓnβkΓkαm
Rmβ = Rαm,αβ
= (∂/∂xα)Γαβm - (∂/∂xβ)Γααm
+ ΓααkΓkβm - ΓαβkΓkαm
≒ (∂/∂xα)Γαβm - (∂/∂xβ)Γααm
… Γはhを含むので2乗の項は無視
Rmβ ≒ (∂/∂xα)Γαβm - (∂/∂xβ)Γααm
Rij ≒ (∂/∂xk)Γkji - (∂/∂xj)Γkki
= (∂/∂xk)[(1/2)ηka{(∂hja/∂xi)+(∂hai/∂xj)-(∂hij/∂xa)}]
- (∂/∂xj)[(1/2)ηka{(∂hka/∂xi)+(∂hai/∂xk)-(∂hik/∂xa)}]
= (1/2)ηka{(∂2hja/∂xk∂xi)+(∂2hai/∂xk∂xj)-(∂2hij/∂xk∂xa)
- (∂2hka/∂xj∂xi)-(∂2hai/∂xj∂xk)+(∂2hik/∂xj∂xa)}
= (1/2)ηka{(∂2hja/∂xk∂xi)-(∂2hij/∂xk∂xa)
- (∂2hka/∂xj∂xi)+(∂2hik/∂xj∂xa)}
Rij ≒ (1/2)ηka{(∂2hja/∂xk∂xi)-(∂2hij/∂xk∂xa)
- (∂2hka/∂xj∂xi)+(∂2hik/∂xj∂xa)}
ここでi=j=0のみを考えれば良く
また
相対性理論 (6回目)より
h00 ≒ (-2/c2)φ
重力場は変化しないという近似の為
時間成分x0での微分は0
∂hij/∂x0 = 0
より
Rij ≒ (1/2)ηka{(∂2hja/∂xk∂xi)-(∂2hij/∂xk∂xa)
- (∂2hka/∂xj∂xi)+(∂2hik/∂xj∂xa)}
R00 ≒ (1/2)ηka{(∂2h0a/∂xk∂x0)-(∂2h00/∂xk∂xa)
- (∂2hka/∂x0∂x0)+(∂2h0k/∂x0∂xa)}
= -(1/2)ηka(∂2h00/∂xk∂xa)
= -(1/2)ηkk(∂/∂xk)2h00
= -(1/2){-(∂/∂x0)2 + ∇2}h00
= -(1/2){-(∂h00/∂x0)2 + ∇2h00}
= -(1/2)∇2h00
= -(1/2)∇2(-2/c2)φ
R00 ≒ (1/c2)∇2φ
▼ ニュートン近似のTij
k{Tij - (1/2)gijT} … (T = gijTij)
ここでi=j=0のみを考えれば良く
T00 = T00 = ρc2 (最初に記載)
g00 ≒ η00 + h00
h00の2乗の項は小さいので無視する
T00 - (1/2)g00g00T00
= ρc2 - (1/2)(η00 + h00)(η00 + h00)ρc2
= ρc2 - (1/2)(-1 + h00)(-1 + h00)ρc2
≒ ρc2 - (1/2)(1 - 2h00)ρc2
= ρc2 - (1/2)ρc2 + ρc2h00
= (1/2)ρc2(1 + 2h00) … (|h00| << 1)
≒ (1/2)ρc2
▼ kを求める
R00 ≒ (1/c2)∇2φ
{T00 - (1/2)g00g00T00} ≒ (1/2)ρc2
R00 = k{T00 - (1/2)g00g00T00}より
(1/c2)∇2φ = k(1/2)ρc2
∇2φ = k(1/2)ρc4
https://ulprojectmail.blogspot.com/2023/07/poisson-2.html
ポアソン方程式 (2回目)
より
∇2φ = 4πGρ
と比べると
∇2φ = k(1/2)ρc4 = 4πGρ
k = 8πGρ/ρc4 = 8πG/c4
よって
重力場方程式
Gμν = (8πG/c4)Tμν
となる
■ 余談1
等価原理は
局所慣性系(重力が平行になるぐらい微小領域)では
重力と慣性力は同じと見なす
ただし
大局的には重力は平行ではなく慣性力(加速による力)は
平行に働くので成り立たない
一般相対性理論の方程式
測地線の方程式[相対性理論 (5回目)]
重力場方程式 [相対性理論 ( 今回)]
重力は時空間の歪みで時間が経てば座標が変化する
よって物体の位置も時間とともに変化する
よってその移動量は物質の属性(質量など)に
よらず一定となる
重力による加速度は質量と無関係なので
重力質量は存在しないとも考えられる
しかし
重力で加速しようとする物体を止めている力
(ものを持っている力)によって重さを感じるが
これは加速を止めるのに質量に比例した力が
必要という事なのでこの質量は慣性質量という
ことになる
なのでやはり
重力質量はないのかもしれません
■ 余談2(ポアソン方程式の導出)
▼ 重力場方程式の変形
Rμν = (8πG/c4){Tμν - (1/2)gμνgμνTμν}
▼ 重力場方程式からポアソン方程式
R00 ≒ (1/c2)∇2φ
{T00 - (1/2)g00g00T00} ≒ (1/2)ρc2
R00 = (8πG/c4){T00 - (1/2)g00g00T00}
より
(1/c2)∇2φ = (8πG/c4)(1/2)ρc2 = 4πGρ/c2
∇2φ = 4πGρ
■ 結果
▼ 定義
Gμν:アインシュタイン・テンソル(Einstein tensor)
Tμν:エネルギー運動量テンソル(energy-momentum tensor)
Rμν:リッチテンソル(Ricci curvature tensor)
R :スカラー曲率(Scalar curvature)
gμν:計量テンソル(metric tensor)
▼ 重力場方程式
Gμν = Rμν - (1/2)gμνR
重力場方程式
Gμν = (8πG/c4)Tμν
相対性理論 (8回目)
一般相対性理論
(General relativity theory)
アインシュタインの重力場方程式の導出
■ 導出
▼ 比例式の簡単な例
微分が0(傾きが0)
f'(x) = df/dx = 0
g'(x) = dg/dx = 0
となる関数の簡単な例を
f(x) = 4
g(x) = 8
とすると
g(x) = kf(x)と置けるので
k = 2
g(x) = 2f(x)となる
▼ 比例式
https://ulprojectmail.blogspot.com/2023/08/curvature-5.html
曲率テンソル (5回目)
と
相対性理論 (6回目)
相対性理論 (7回目)
より
アインシュタインテンソル
Gμν = Rμν - (1/2)gμνR
∂Gμν/∂xμ = ∇μGμν = 0
エネルギー運動量テンソル
∂Tμν/∂xμ = ∇μTμν = 0
より
微分が0同士なので
Gμν = kTμν
の関係があると置けるので
ニュートン近似でkを決定する
またニュートン近似はcに対してx,y,z
の変化が少ないのでu0のみつまりT00のみ考える
また|v|<<|c|より
ローレンツ係数γ = 1/√{1 - (v/c)2} ≒ 1
Tμν = ρc2uμuν より
T00 = ρc2u0u0 = ε = γ2ρc2 = ρc2
▼ 重力場方程式の変形
Gμν = kTμν
Gμν = Rμν - (1/2)gμνR
Rμν - (1/2)gμνR = kTμν
両辺にgμigνjを掛ける
gμigνjRμν - (1/2)gμigνjgμνR = kgμigνjTμν
Rij - (1/2)gijR = kTij
両辺にgijを掛ける
gijRij - (1/2)gijgijR = kgijTij
Rii - (1/2)δiiR = kTii
R - (1/2)4R = kT
R = -kT
を
Rij - (1/2)gijR = kTij
に代入
Rij + (1/2)kgijT = kTij
Rij = k{Tij - (1/2)gijT} … (T = gijTij)
▼ ニュートン近似のRij
https://ulprojectmail.blogspot.com/2023/07/christoffel-3.html
クリストッフェル記号 (3回目)
より
Γkij = (1/2)gka{(∂gja/∂Xi)+(∂gai/∂Xj)-(∂gij/∂Xa)}
に
gαβ ≒ ηαβ + hαβ (|hαβ| << 1)
を代入
ηαβ は定数なので微分は0
hαβ の2乗の項は小さいので無視すると
Γkij = (1/2)gka{(∂gja/∂Xi)+(∂gai/∂Xj)-(∂gij/∂Xa)}
= (1/2)(ηka+hka){(∂hja/∂Xi)+(∂hai/∂Xj)-(∂hij/∂Xa)}
= (1/2)ηka{(∂hja/∂Xi)+(∂hai/∂Xj)-(∂hij/∂Xa)}
Γkij = Γkij
= (1/2)ηka{(∂hja/∂Xi)+(∂hai/∂Xj)-(∂hij/∂Xa)}
Rnm,αβ
= (∂/∂xα)Γnβm - (∂/∂xβ)Γnαm
+ ΓnαkΓkβm - ΓnβkΓkαm
Rmβ = Rαm,αβ
= (∂/∂xα)Γαβm - (∂/∂xβ)Γααm
+ ΓααkΓkβm - ΓαβkΓkαm
≒ (∂/∂xα)Γαβm - (∂/∂xβ)Γααm
… Γはhを含むので2乗の項は無視
Rmβ ≒ (∂/∂xα)Γαβm - (∂/∂xβ)Γααm
Rij ≒ (∂/∂xk)Γkji - (∂/∂xj)Γkki
= (∂/∂xk)[(1/2)ηka{(∂hja/∂xi)+(∂hai/∂xj)-(∂hij/∂xa)}]
- (∂/∂xj)[(1/2)ηka{(∂hka/∂xi)+(∂hai/∂xk)-(∂hik/∂xa)}]
= (1/2)ηka{(∂2hja/∂xk∂xi)+(∂2hai/∂xk∂xj)-(∂2hij/∂xk∂xa)
- (∂2hka/∂xj∂xi)-(∂2hai/∂xj∂xk)+(∂2hik/∂xj∂xa)}
= (1/2)ηka{(∂2hja/∂xk∂xi)-(∂2hij/∂xk∂xa)
- (∂2hka/∂xj∂xi)+(∂2hik/∂xj∂xa)}
Rij ≒ (1/2)ηka{(∂2hja/∂xk∂xi)-(∂2hij/∂xk∂xa)
- (∂2hka/∂xj∂xi)+(∂2hik/∂xj∂xa)}
ここでi=j=0のみを考えれば良く
また
相対性理論 (6回目)より
h00 ≒ (-2/c2)φ
重力場は変化しないという近似の為
時間成分x0での微分は0
∂hij/∂x0 = 0
より
Rij ≒ (1/2)ηka{(∂2hja/∂xk∂xi)-(∂2hij/∂xk∂xa)
- (∂2hka/∂xj∂xi)+(∂2hik/∂xj∂xa)}
R00 ≒ (1/2)ηka{(∂2h0a/∂xk∂x0)-(∂2h00/∂xk∂xa)
- (∂2hka/∂x0∂x0)+(∂2h0k/∂x0∂xa)}
= -(1/2)ηka(∂2h00/∂xk∂xa)
= -(1/2)ηkk(∂/∂xk)2h00
= -(1/2){-(∂/∂x0)2 + ∇2}h00
= -(1/2){-(∂h00/∂x0)2 + ∇2h00}
= -(1/2)∇2h00
= -(1/2)∇2(-2/c2)φ
R00 ≒ (1/c2)∇2φ
▼ ニュートン近似のTij
k{Tij - (1/2)gijT} … (T = gijTij)
ここでi=j=0のみを考えれば良く
T00 = T00 = ρc2 (最初に記載)
g00 ≒ η00 + h00
h00の2乗の項は小さいので無視する
T00 - (1/2)g00g00T00
= ρc2 - (1/2)(η00 + h00)(η00 + h00)ρc2
= ρc2 - (1/2)(-1 + h00)(-1 + h00)ρc2
≒ ρc2 - (1/2)(1 - 2h00)ρc2
= ρc2 - (1/2)ρc2 + ρc2h00
= (1/2)ρc2(1 + 2h00) … (|h00| << 1)
≒ (1/2)ρc2
▼ kを求める
R00 ≒ (1/c2)∇2φ
{T00 - (1/2)g00g00T00} ≒ (1/2)ρc2
R00 = k{T00 - (1/2)g00g00T00}より
(1/c2)∇2φ = k(1/2)ρc2
∇2φ = k(1/2)ρc4
https://ulprojectmail.blogspot.com/2023/07/poisson-2.html
ポアソン方程式 (2回目)
より
∇2φ = 4πGρ
と比べると
∇2φ = k(1/2)ρc4 = 4πGρ
k = 8πGρ/ρc4 = 8πG/c4
よって
重力場方程式
Gμν = (8πG/c4)Tμν
となる
■ 余談1
等価原理は
局所慣性系(重力が平行になるぐらい微小領域)では
重力と慣性力は同じと見なす
ただし
大局的には重力は平行ではなく慣性力(加速による力)は
平行に働くので成り立たない
一般相対性理論の方程式
測地線の方程式[相対性理論 (5回目)]
重力場方程式 [相対性理論 ( 今回)]
重力は時空間の歪みで時間が経てば座標が変化する
よって物体の位置も時間とともに変化する
よってその移動量は物質の属性(質量など)に
よらず一定となる
重力による加速度は質量と無関係なので
重力質量は存在しないとも考えられる
しかし
重力で加速しようとする物体を止めている力
(ものを持っている力)によって重さを感じるが
これは加速を止めるのに質量に比例した力が
必要という事なのでこの質量は慣性質量という
ことになる
なのでやはり
重力質量はないのかもしれません
■ 余談2(ポアソン方程式の導出)
▼ 重力場方程式の変形
Rμν = (8πG/c4){Tμν - (1/2)gμνgμνTμν}
▼ 重力場方程式からポアソン方程式
R00 ≒ (1/c2)∇2φ
{T00 - (1/2)g00g00T00} ≒ (1/2)ρc2
R00 = (8πG/c4){T00 - (1/2)g00g00T00}
より
(1/c2)∇2φ = (8πG/c4)(1/2)ρc2 = 4πGρ/c2
∇2φ = 4πGρ
■ 結果
▼ 定義
Gμν:アインシュタイン・テンソル(Einstein tensor)
Tμν:エネルギー運動量テンソル(energy-momentum tensor)
Rμν:リッチテンソル(Ricci curvature tensor)
R :スカラー曲率(Scalar curvature)
gμν:計量テンソル(metric tensor)
▼ 重力場方程式
Gμν = Rμν - (1/2)gμνR
重力場方程式
Gμν = (8πG/c4)Tμν